【要注意】資産運用の初心者がハマりがち!「下がったら買う」は幻想

下の言葉を聞いてどう感じますか。

  • 「株の基本は下がった時買うこと」
  • 「今は上がりすぎているから買わない
  • 下がったらまた買う

「確かに」とか「何がおかしいの?」と感じた方に特にオススメの記事です。

実は投資に関わっていく上でこの発想は非常に危険です。

株式投資歴15年のCFP®認定者の私が具体的になぜこれらの言葉がおかしいのか。

そして株式等の投資をする前に知っておくべきことをわかりやすく解説します。

これを知っておくことで間違った情報に踊らされたり、騙されたりすることが激減します。

「下がったら買う」は成立しない

2026年3月現在日経平均株価は約53,000円です。10年チャートでみるとこんな感じです。

高いですか?安いですか?実はどちらも不正解です。

高い安いは後から決まる

少し意地悪な質問をしました。

結論として、今が高いか安いかは「わからない」が最も適切です。

なぜなら、株価の評価は一つの基準で決まるものではないからです。

  • PERで見ればやや割高
  • 企業業績で見ればまだ上昇余地あり
  • 過去10年で見れば上がりすぎ

これらはすべて正しい見方です。

つまり、「高い・安い」という絶対的な答えがあるのではありません。

株価や為替は何かと比較してはじめて高い安いと表現できる相対的なものです。

さらに言えば、10年後に10万円になっていれば「あの時は安かった」、3万円になっていれば「あの時は高かった」と評価されます。

つまり、答えは未来になって初めて確定します。

高いか安いかは相対的で、未来にならないと本当にはわかりません。

それなのに、その不確かな判断を理由にして株を買うのは、不思議だと思いませんか?

「高いから買わない・安いから買う」は、未来を読める前提の発想になってしまっているのです。

買い時より売り時

株の買い時は誰にもわかりません。しかし、売り時を決めていない人は買ってはいけません

なぜなら、未来は誰にも予測できないからです。「今は高すぎる」、「もうすぐ下がる」といった意見はよく聞きますが、その根拠は曖昧なことがほとんどです。

基準がないまま判断すると、感情に流されてしまい、結果的に高値掴みや狼狽売りにつながります

例えば、株は「安い時に買って高い時に売る」ことで利益が出ます。しかし、当然ですが、その安い・高いを事前に正確に判断できる人はいません。

だからこそ、「今は高い」という言葉を聞いたら、「その基準は何ですか?」と問い返す必要があります。

さらに重要なのは、売るタイミングを決めていない人は、含み益が出ても売れない下がっても損切りできない状態に陥りやすいことです。

だからこそ大切なのは、「いつ買うか」ではなく「いつ売るか」を先に決めることです。

売り時を決めて初めて、投資はコントロールできるものになります。

売り時を決めずに投資するとこうなる

ここまでで株価は相対的なもので「今下がったかどうか?」は誰にもわからないことを解説しました。

株式投資のリスクは高いです。これはどの専門家に聞いても一致すると思います。

よく聞くし、身近と思うかも知れませんが、リスクは高い、値動きが大きいのが株式です。

値動きは為替と比較にならない程大きいのです。

このような投資商品を曖昧な基準で買うことは非常に危険なのです。

下がるのを待つほど、上昇に置いていかれる

「もう少し下がったら買おう」と考えている間に、株価は上がっていきます。結果として、買うタイミングを失い、気づけば手が出せなくなります。

株価は常に都合よく動いてくれるわけではありません。

だからこそ、完璧な買い時を待つという発想自体が、機会損失につながるのです。

利確したあとに、さらに上がる現実

一方で、少し利益が出たタイミングで売却すると、その後さらに上昇することもよくあります。

「一旦売って、下がったら買い直そう」と考えても、思ったように下がらず、結果的に再び高値で買い直すことになります。

しかもやっている方はわかると思いますが、一度自分が売った価格より高いタイミングで買うことは思っている以上に困難です。

この流れを繰り返すと、利益は伸びず、むしろパフォーマンスはみるみるうちに悪化していきます。

人は「損を避ける」ようにできている

こうした行動の背景には、人間の本能があります。

人は
・損をしたくない
・利益は早く確定したい
という性質を持っています。

例えば、今から私とコイン投げの賭けをすると想像してみてください。

「コイン投げで表なら1万円、裏なら−1万円」というゲームと、「無条件で1000円もらえる」ゲームがあった場合、あなたはどちらをやりますか。

50%の確率で1万円なので期待値が高いのは前者ですが、多くの人は後者を選びます。

投資も同じで、「少しでも利益があるうちに確定したい」という心理と「損失を見たくない」という心理が働きます。

これを続けると勝率はどうなるでしょう。

利益は小さく損失は無視して拡大するという必敗法にたどり着きます。

これらの心理を詳しく知りたい方はプロスペクト理論で調べてみてください。

「高値で買い、安値で売る」という最悪の結末

投資で失敗する人のほとんどは、相場ではなく「自分の感情」にやられてしまいます

人間は本来、安く買って高く売るのが理想ですが、感情に流されると逆の行動を取りやすくなるからです。上がっていると「欲しい!」と思い、下がっていると「怖い…」となるのは自然な心理です。

例えば、株価が下がっているとき、理屈では「今が買い時」とわかっても、

「まだ下がるかも…」
「怖いし、今はやめとこうかな」

と手が出ません。

逆に上がっていると、

「自分も乗らなきゃ」
「今買わないとチャンスを逃す!」

と焦って高値で買ってしまいます。

その後、少し下がると、

「やっぱり怖い…損したくない」

と売ってしまい、少し利益が出ても

「利益が消える前に確定しよう」

とすぐ売ってしまうこともあります。

つまり、
・下がるのを待って買えない
・上がると焦って買う
・下がると怖くて売る
・上がると早く利益確定する

という行動を無意識に繰り返してしまうのです。その結果、高値で買って安値で売るという、最も避けたいパターンに陥ります

株に興味がなかった人が「やってみようかな」と思い始める頃には相場は落ち着き、逆に「貯金が一番安全」と言われるときほどチャンスだと、投資家界隈ではよく言われます。

だからこそ、投資で結果を出すには、相場を当てることよりも、「感情に振り回されない自分ルールや仕組み」を作ることが最重要です。

じゃ、どうすればいいのか。それは買う前に売るときを決めておくことです。売り時が決まらないうちは買わないことです。

もちろん「一生売らないで配当をもらう」、「70歳まで長期投資するからそれまでは売らない」などでも一旦はいいと思います。

とにかく売り時を決めずに買うことだけはとても危険だと覚えておいてくださいね!

売り時を決められないなら手を出すな(まとめ)

ここまでで「下がったら買う」という言葉がいかにおかしいか気付き、売り時を決めない投資は負ける運命にあるのだと理解できたあなたは、もう初心者ではありません。

つまり、株価を予測するよりも大切なのは、自分の感情に振り回されずに投資をコントロールできるルールを持つことです。具体的には、買う前に売るタイミングを決めておくことが重要です。

これを実践できれば、

  • 不必要に焦って高値で買うことが減り
  • 下落で怖くなって売ってしまうことも減り
  • 利益を伸ばしやすくなる

こうして、相場の動きに振り回されない自分ルールや仕組みを作ることで、投資で結果を出す力が少しずつ身についていきます。

「買うタイミングは例えばどうやって考えるの?」今後の記事ではこのような疑問にも答えていきたいです。

それではまた。あなたの資産が、着実に育ちますように。

この記事を書いたのは、CFP®認定者・FP1級技能士の今村元気です。西宮市を中心に、中立的な立場で家計や資産形成の相談・伴走支援を行う「ことねFPオフィス」を運営しています。詳しくは[運営者情報]をご覧ください。